WINDSURFING

ウィンドサーフィンとは

ウィンドサーフィン(Windsurfing)とは、風の力を使って海の上を自由自在に走るマリンスポーツです。ボードとセイルを接続した専用の道具を使用して、風を受けたセイルに発生する揚力と重力により波の斜面を滑り降りる推進力を主な動力源として水面を滑走します。ヨットとサーフィンを融合・発展させたスポーツです。1967年アメリカのカリフォルニアでジム・ドレイク(Jim Drake)とホイル・シュワイツァー(Hoyle Schweitzer)により発案され、1968年11月に初めての試乗がなされました。ウィンドサーフィンの道具は、ある程度以上のスピード(約25km/h)になるとボード底面が水面まで浮上して水面を滑走する「プレーニング」ができます。中級者以上になると容易に50km/h以上のスピードで滑走出来るのがこのスポーツの最大の魅力となっており、プレーニング時における世界のトッププロでの最速記録は、100キロを超えています。風の力を使って自然と一体になれる素晴らしいマリンスポーツです。

ウィンドサーフィン競技について

1.アップウィンドレース(Upwind Race)

フォーミュラ

ヨットレースに準じてスタート地点から見て風上と風下に広く設定されたコースを風上から風下方向(クローズ・ホールド〜ランニング)に走行し、水面に設置されたマークをトランジションでの回航を繰り返してゴールまでの先着を競う競技種目。おおよそ4m/s以上の風速で平水面〜チョッピーな水面を好適とする。

沖合に設置されたスタート地点から全ての競技者が一斉にスタートする形で競技が行われる。この競技はコースレイアウトの20%以上を風上方向に設置するよう規定されており、そのことが後述のスラローム競技と区別されるところとなっている。使用する道具は「レースボード」とよばれる微風から中風域に強く、風に対して最も広範囲に滑走できるボードと7.5〜12m²の「レースセイル」とよばれるマストスリーブ内のバテン接点部にキャンバーインデューサー(略称はカム)を内蔵することで、常にドラフトを安定させ、風力を効率よく推進力として取り込めるよう設計された適応風域の広いセイルを使う。レースボードはその形状により「ロングレースボード」と「フォーミュラボード」の2種に分類されるが、開催大会の規定に基づいて使用するボードの選択が分かれ、レースボードクラス、フォーミュラウィンドサーフィンクラスの名称で競技分類される。それぞれのボードの特徴としては、ロングレースボードは幅60〜100cm、長さが280〜390cmのマストトラックシステムとダガーボードが付属された形状で、風上方向の走行時(クローズ・ホールド)に高い走行性能を発揮する。フォーミュラボードは幅100〜110cm、長さ220〜230cmのマストトラックシステムとダガーボードが付属されない形状で、風下方向の走行時(クウォーター・リー〜ランニング)に高い走行性能を発揮する。

この競技は、スタートからゴールまでの間を風上・風下方向に幅広く走行して方向転換とマーキングを繰り返すことから、ウィンドサーフィンにおける基礎的な技術力が勝敗を分けるものであり、また、他競技と比較して大型の道具を使用することによる微風の競技開催が可能なため、オリンピック、国民体育大会の競技種目に採用されている。2013年現在で、オリンピック、国民体育大会はロングレースボードにより、ワールドカップはフォーミュラボードにより競技が行われている。

2.スラローム(Slalom)

スラローム

スタート地点から見て、並列(フィギュア・エイト)または風下方向(ダウンウィンド・スラローム)に設定されたコースを8の字または風下方向(クローズ・ホールド〜クウォーター・リー)にプレーニング滑走し、水面に設置されたマークをレイルジャイブでの回航を繰り返してゴールまでの先着を競う競技種目。

おおよそ4m/s以上の風速で平水面〜ラフな水面を好適とする。ビーチまたは沖合に設置されたスタート地点から全ての競技者が一斉にスタートする形で競技が行われる。使用する道具は「スラロームボード」と呼ばれる最も軽量化が図られた相対スピード重視の直進安定性が優れたボードに、4.5〜11m²のレースセイルまたは「スラロームセイル」とよばれるレースセイルと似た形状でキャンバー・インデュサーの数が比較的に少ないセイルを使う。

この競技は風下方向(ダウンウィンド)、風上方向(アップウィンド)ともハイスピードからレイルジャイブによるカーヴィング回航が繰り返されるので、スピード感が高い激しい順位争いが繰り広げられる競技となっている。この競技の競技者人口は最も多く、また、使用道具の性能が競技結果に大きな影響を与えるため、セイル、ボードの開発競争も激しく、ウィンドサーフィン用具においての性能向上の牽引役を担っている。

3.ウェイブパフォーマンス(Wave Performance)

ウェイブパフォーマンス-2006年ズィルト島ワールドカップでのロビー・ナッシュ

波間の水面において競技者が決められた一定時間内でプレーニング滑走からトランジション・ウェイブライド・ジャンプの技術を競い合い、ジャッジでの勝ち上がり形式により順位を競う競技種目。

おおよそ8m/s以上の風速、ラフ〜セット波の水面を好適とする。

二人の競技者がビーチからスタートする形でトーナメント方式により競技が行われる。使用する道具は、激しい競技での使用(プレーニングからのループ着水等)と波に巻かれた時にも破損が少ないよう丈夫なものとなっている。「ウェイブボード」と呼ばれる波に乗るためのロッカーが付いた最も運動操作性が優れた衝撃に強いボードと3〜7m²の「ウェイブセイル」とよばれる風を溜めない構造で、頑強な素材(X-PLY等)で補強されたセイルを使用する。

この競技は、サーフィン同様のウェイブライディングとリッピング、ウィンドサーフィンならではの波に向かってのジャンプやループ技が混合する「ウィンドサーフィン」という名が最もふさわしい競技でもある。世界のトッププロでは、ウィンドサーフィンの三次元的な運動性を最大限に使って、多種多様な技で競い合い、このスポーツのイメージリーダー的存在として可能性を広げ続けている。

4.フリースタイル(Freestyle)

フリースタイル-2008年ズィルト島ワールドカップでのキリ・トーデ

平水面において競技者が決められた一定時間内でプレーニング滑走から多種の技を繰り出し、技の華麗さ・多様性・技術の高さを競い合い、ジャッジでの勝ち上がり形式により順位を競う競技種目。おおよそ6m/s以上の風速で平水面〜チョッピーな水面を好適とする。

二人の競技者がビーチからスタートする形でトーナメント方式により競技が行われる。使用する道具はスラロームとウェイブの中間的な要素のものとなり、「フリースタイルボード」と呼ばれる最も回転性が優れたボードと3.5〜7.5m²の「フリースタイルセイル」と呼ばれる軽くてしなやかなセイルを使用する。

この競技は、繰り出す技の多彩さが重要となることから、短時間により多くの技を行えるよう他の競技道具と比較して、走り出しから最短時間でプレーニングできるよう瞬発力の高く初速が得やすいものとなっている。競技歴史は古いが、2000年頃から専用道具の開発が始まったことでプレーニングからの回転技中心の競技スタイルとなり一般人気も高いものとなった。この競技は「平水面のウェイブ」とも呼称され、水平方向の回転技が次々と生み出されている。

5.スピードセイリング(Speed Sailing)

スピードセーリング

平水面に決められたコースを風に対して垂直またはやや風下方向(ウインド・アビーム〜クウォーター・リー)にプレーニング滑走し、GPS機器またはスピードガンを使って速度計測を行いその速度記録を競う競技種目。

おおよそ10m/s以上の風速、平水面を好適とする。

競技者一人ずつが順番に滑走する形で競技が行われ、250m、500mまたは1海里の決められたコースを滑走して、その間の速度計測を行う。使用する道具は「スピードボード」と呼ばれる進行風による巻き上げと水面の反発を最小限に抑えるためにボード幅を極めて狭く設計した最高速度と直進性のみを重視したボードと4.5〜11m²のレースセイルかスラロームセイルを使用する。

比較的強風下で開催されるこの競技は、その競技内容からトランジション等のボード回転運動は一切行わないため、使用する道具は直進スピードのみを重視した特化性の高いものとなる。このことから一般使用には向かず道具の一般販売は行われていない。使用するブームも風の巻き込みでの抵抗による速度低下を考慮した半円状で片側にだけ接続されているものもある。競技者人口の少ない競技となっている。